|
先ほどに引き続き、こんばんはー! 冷たい麦茶がおいしい季節になりましたね。 お風呂上りに、マグいっぱいの麦茶をぐうっとのみ干したら、眉毛の真ん中辺りがぼんやりと痛くなりました。 ゆっくり飲もう、もっとゆっくりと。 表題は、新潮文庫 角田光代著の短編集のタイトルです。 先日、ふらりと立ち寄った古本屋さんで見つけたもの。 タイトルに引かれて、ぱっと買ってしまいました。 このごろ、自分に余裕がなくて、本を読みきることが難しくなっているのですが、この本は最後までじっくりと読むことができました。 『あたしですか、あたしはこれから人を殺しにいくんです。』(『このバスはどこへ』より、抜粋) 始めに目に飛び込んできた文章がこれ。 ミステリ仕立てなのかな?と思いました。 軽いミステリで、犯人が捕まって、すっきりと収まってくれたらいいな、なんて、甘い考えで、この本に挑みました。 タイトルの「おやすみ、こわい夢を見ないように」という響きも、とてもやさしくて、疲れた心を包み込んでくれそうな、癒し系だし、なんて、ね。 残念ながら(当然?)、そんな都合のいい夢は、その中にはありませんでした。 私が考えていたような、ふわふわとした、綺麗なことだけが書いてあるような、そんな本ではありません。 本の中にあるのは、どこにでもいる普通の人が抱く、悪意、殺意、断絶でした。 物語の舞台は現代の日本です。 主人公たちは、大きな冒険に挑むわけでもなく、大きな犯罪に巻き込まれるわけでもなく、あたりまえに日常生活を送っています。 ただ、その『日常』が恐ろしいのです。 毎日飽きることなく繰り返されるはずの『日常』に押しつぶされて、少しずつ何かが変わっていく。 初めは愛情であったものや、友情であったものが、いつのまにか損なわれて、変質していく。 主人公たちは、傷つき、あるいは人を傷つけ、もがいている。 そうして溜め込んだ悪意が、いつか爆発することを恐れている。 こうやって感想を書くだけでも、息をつめてしまうような閉塞感があります。 ただし、この話のすごいところは、気持ちが悪いだけで終わらないところです。 短編なので、一つ一つ、微にいり細にいり語られないのですが、必ず希望が見えてくるような終わりかたになっていると思います。 ほんの少しであるにしても、必ず光明が示されている。 そこが、最後まで読みきることができた要因だと思います。 なにより、それぞれのタイトルがいいんですよ。 とても綺麗で、詩情にあふれている。 表題の『おやすみ、こわい夢を見ないように』を始めとして、『空を回る観覧車』、『うつくしい娘』、『晴れた日は犬を乗せて』などは私のお気に入りのタイトルです。 一番好きな話は『おやすみ、こわい夢を見ないように』で、次は『うつくしい娘』かな。 なんとなくぞっとしたのは、『スイート・チリソース』で、一番嫌だったのは『空を回る観覧車』かな。 何回も読みたい本ではないものの、時間をかけてじっくりと読みたい本でした。 |
| << 前記事(2008/06/05) | トップへ | 後記事(2008/06/09)>> |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/06/05) | トップへ | 後記事(2008/06/09)>> |